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趣味について

田中 美弥子

蕗谷虹児の美人画1  今、最も興味のあることは洋裁です。夏休みに、洋裁学校に通いはじめました。今はまだ基礎の基礎から教えてもらっている段階なのですが、普段何気なく着たり買ったりしている服は、本当に恐ろしく多くの工程を経て服となるのだという、当たり前の事実に驚いています。実際に洋裁は、想像以上に面倒な過程も多く含まれていました。それでも、私がやっていることは生地を裁断して縫うというところまでなのですが、更に繊維を生地にする工程などを考えると、服に限らず、日常のどの製品に関しても、長い工程を経て手元にたどり着くことには変わりなく、今更ながら気が遠くなっています。
 それと、これが厄介なのですが、生地を裁ったり縫ったりする前に、寸法を計り、製図を描いて、服の基となる型紙を作ります。私はこの作業を通して、自分の腕がずいぶん前についていて、肩幅の狭い、変わった骨格だとわかりましたが、自分に合ったものを作ればよいので、既製品に合わせなくてもよい、という考え方でとても気分がよくなります。はじめから、自分のものではない、「一般的」とされる型に合わないのは、当然だとも思えます。
 これらが、私が好きなことを通じて、最近思ったことです。洋裁をはじめるきっかけとなったということは特になかったのですが、手先を使って自分のために何かを作るということに、以前にまして興味が湧いてきたということになるかと思います。私の場合は、この自分のために、というのが重要で、だから趣味になるのだと思われます。
蕗谷虹児の美人画2  ゼミでこの課題が出た時に、興味のあること、更に、将来について考えるように言われたはずなのですが、興味から将来に結びつけることはできませんでした。

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