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(ゼミ夏期レポート)

峯 さえ子

 夏休みの間に、二十一回目の誕生日を迎えたこともあって、少し自分について考えてみたりしたがびっくり、自分を語ろうとしても何も語れるものなんてなかった。
 そう言えば、今自分が興味をもてるものさえはっきりしていない。就職活動を目の前にしていても、自分の進みたい方向なんてわからない。憧れの職業や、憧れの人なんてのもいなかった。
 考えても考えてもわからなかった。考えてわかったり、決めたりすることなのかどうかもわからなくなった。ただ、目的をもって勉強したり、働いたりする友達を見ては、今の自分はダメなんだろうなと、落ち込んだりした。
 でも、全然焦ってない自分にも驚いた。この落ち着きはどこからきたのだろうか。自分の持つ、性格なんだろうか。本当に、何もわからなくなった。自分のことを自分で考えても考えてもわからなかった。自分のことが自分でわからなくて、どうしたらいいのかもわからなかった。
THE 14th ALL JAPAN COLLEGE ORCHESTRA FESTIVAL  ただ、ひとつだけずっと小さいころから続けているものはあった。それは大好きなヴァイオリンだった。上手下手は関係なく、これだけは、ずっと好きだった。大学に入ってからは、オ−ケストラの一員として弾くようになりさらにヴァイオリンを好きになり、それが、かけがえのないものになった。
 オケの中で演奏することは、自分にとってかなり意味のあるもので、自分がいちばん楽しめる時である。全部の楽器が響いた時、体の中にいっぱいの酸素が流れ込んできたような錯覚を覚え、その音の中に自分がいることに感動する。そういうことが、今の私にとっていちばん好きで興味のあることなのだ。
 本当に私が望むのは今の状態でオケを続けていたい、この場所から動きたくないということなのかもしれない。しかしそれが不可能なことぐらいわかっていて、でもそれ故にこのまま何も変わらないことを望んでしまう。今の自分に満足してるわけではないけれど、今の生活が気にいってて、先のことが考えられないのかもしれない。
 自分の甘さがみえてきて、つくずく自分が情けなくなった。でも私はこの私とずっとやってかないといけないから、もっとしっかりしなくちゃと反省したりした。

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