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日本文学史2
日本文学史 近代編
日本文学専攻の2年生の必修科目で、日本文学や文学全般についての基礎的な知識を習得することを目的としている。 「日本文学史2」では、主に明治時代以降の日本の文学を扱う。 江戸時代と明治時代の間に境界線を設け、明治時代から「近代文学」が始まったとするのが従来の「文学史」の大きな枠組みとなってきた。現在その枠組みは様々に批判され見直しが行われてはいるものの、「古典文学」と「近代文学」という区別は様々な形で残り、力を持ち続けている。もちろん、江戸時代に書かれていた表現と明治時代以降に書かれた表現の間に差違はあるし、またヨーロッパ・アメリカ由来のliterature、novel、poetといったジャンル・概念が「近代」になって紹介・導入された影響は大きい。その結果日本においては「文学」「小説」「詩」といった言葉が意味するものが大きく変容していった。 この講義では100年前の明治時代後半から大正時代(19世紀末・20世紀初頭)に注目して、その時期に表現やそれを支える思想に起こった変化、そこで生まれた新たなジャンル・概念について解説する。そして、たとえば夏目漱石や正岡子規や萩原朔太郎といった作家の作品にふれつつ、どのように彼らが「近代文学」を、また「小説」や「俳句」や「詩」を代表する特別な名前になっていったのかを考察する。 |
第1回 履修についてのガイダンス・「近代」とはどのような時代か 第2回 〈仲介者〉について 第3回 「小説」の「改良」について 資料:坪内逍遙「小説神髄」 第4回 「浮城物語」論争について 資料:石橋忍月・矢野龍渓等 第5回 「私小説」について 資料:田山花袋・久米正雄 第6回 「詩」概念の変更 資料:「新体詩抄」他 第7回 文語定型詩から口語定型詩へ 資料:島崎藤村「若菜集」他 第8回 口語自由詩と詩の条件 資料:川路柳虹・萩原朔太郎 第9回 和歌から短歌へ 資料:柳田国男「故郷七十年」他 第10回 俳諧から俳句へ 資料:正岡子規 第11回 「演劇」の「改良」について 資料:坪内逍遙 第12回 「新劇」の登場 資料:イプセン「人形の家」 第13回 リアリズムへの批判 資料:泉鏡花「夜叉ヶ池」他 第14回 文芸評論の登場 資料:「三人冗語」他 第15回 まとめ このページのトップに戻る |